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 (独)海洋研究開発機構、ベーリング海における近年の植物プランクトン群集の変化要因を解明

発表日:2012.06.19


  (独)海洋研究開発機構は、水産資源の豊富なベーリング海で近年見られる植物プランクトン群集の大きな変化が、温暖化の影響による可能性が高いことを明らかにしたと発表した。ベーリング海では、植物プランクトンで二酸化ケイ素(SiO2)の殻をもつ珪藻が優占種として食物網の底辺を支えているとされてきたが、1997年以来、本来は亜熱帯域などの貧栄養海域に多く生息する円石藻のブルーム(大増殖)が観測されていた。今回、研究チームは、同海域における円石藻ブルームの発生について、過去70年にわたる海底堆積物を分析・解析した結果、1970年代後半を境にその発生が顕著になっていること、さらにその要因は、温暖化の影響による可能性が高いことを明らかにした。具体的には、温暖化によるこの海域の表層温度の上昇や塩分濃度の低下が、表層付近の鉛直混合を妨げ、海洋深層から表層への栄養塩供給を弱めることで、貧栄養環境で優占する円石藻のような群集がベーリング海でも活発に生息するようになってきた可能性があるという。今回の成果は、今後の生物資源環境の変動予測に寄与することが期待されるという。

情報源 (独)海洋研究開発機構 プレスリリース
機関 (独)海洋研究開発機構
分野 地球環境
自然環境
キーワード 生態系 | 地球温暖化 | 海洋研究開発機構 | ベーリング海 | 海洋環境 | 生物資源 | 植物プランクトン | 珪藻 | 円石藻 | 貧栄養
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