清水建設(株)と(株)ジャパンエナジー(Jエナジー)は、従来比2.5倍の蓄熱性能を持つ躯体蓄熱式空調システムを共同開発した。躯体蓄熱式空調システムとは、料金が安い深夜電力を使って建物の躯体コンクリートに冷熱を蓄え、日中にコンクリートからの放熱で空調するもの。今回は、Jエナジー独自の蓄熱材をもとに、素材にパラフィンを採用した「PCM蓄熱材」を共同開発し、清水建設が開発した床吹出し空調システムの二重床内に収めることにより、全体の蓄熱性能を従来の2.5倍に向上。これにより氷蓄熱などの外部蓄熱槽が不要になるため、スペースに制約があるビルに最適であるとともに、一般的な空調システムに比べ、ランニングコストを35%、消費エネルギーを10%低減できる。今後両社は、このシステムを試験導入した清水建設の技術研究所遠心実験棟(東京都江東区)で性能検証を行い、2009年度中の実用化を目指すという。