同条約は野生生物の国際取引の規制を通じて、生物の保全と持続可能な利用を図るもの。2年半に1回の割りで、大きな会議が開かれる。
採集した卵は孵化、育成され、数年でワニ皮が市場に。1卵あたり1600円を州政府に払う。その収益で政府は、湿地を管理する。この30年で親ワニの個体数が大きく増加した保全と利用の成功例。
夏の八幡平実習(環境調査実習)での一コマ
この仕事を目指したきっかけ
半世紀以上前、家の庭をムササビが滑空するような自然に恵まれた環境で生まれ育ちました。動植物関係の分野に進みたいと思い、大学・大学院では、森林に住む鳥類の生態の研究をおこないました。また、北海道や西表など各地を訪れ、日本の多様な自然に触れる機会も得ました。その後、動植物に関する条約であるワシントン条約の事務局(スイス)に勤務することになり、関心は条約、特に動植物を中心とした環境関連条約に拡がり、現在に至っています。
今後の研究や活動として、専門の国際条約への関心を持続しつつ、地域の諸問題にも積極的に取り組んでいきたいと思います。約40年前に旅行で岩手を訪れたことがありますが、この大学には2006年4月に着任したばかりで、岩手のことはまだあまり知りません。昨年から県全域を対象にいくつかの生物の分布情報を調べています。これは土地鑑を養うことにも役立っています。
ゼミでは多岐の課題を扱います。学生自身が自発的にテーマを見つけ出すことを期待しています。