アメリカエネルギー省は、燃費向上・輸送コスト削減・環境保護を目的とした先進自動車技術の研究開発を促進する新プロジェクト38件に総額4500万ドル以上の支援を行うと発表した。オバマ政府は、同国史上最も厳しい乗用車の燃費基準を決めており、これにより消費者のガソリン代を1.7兆ドル節約(自動車1台当たり耐用年数中8000ドル以上のコスト削減)、炭素汚染を60億トン除去できるとしている。この目標実現に向け、今回の助成では、電気自動車の普及を主眼とした先進輸送技術5分野の研究を支援する。具体的には、1)電気駆動装置等に用いる先進軽量化素材(高強度スチール等)の開発、2)バッテリーの性能向上とサイズ・重量半減のための技術開発、3)プラグイン電気自動車用インバータの性能向上とコスト削減のためのパワーエレクトロニクス(広バンドギャップ半導体)の開発、4)バッテリー消費の少ない暖冷房技術等の開発、5)燃費がよく摩擦損失の少ない先進燃料と潤滑油の開発、である。なお、今回のプロジェクトは同国陸軍省も支援している。