国連環境計画(UNEP)は、アジア太平洋地域とインド洋で持続可能な観光を推進する取組「グリーンフィン」の下、フィリピンのエルニドでサンゴ礁の保護と観光業の発展に向けた活動が大きく前進していると報告した。エルニドは、マニラの南西約420kmに位置し、動植物が極めて多様な(サンゴ種は447種以上)同国最大の海洋保護区である。ダイビング等で同地に訪れる観光客は過去10年間で3倍以上となり、観光が地元経済を支えている。しかしサンゴ礁がもたらす観光収入、魚貝類等の食料、海岸線の保護機能は、サンゴ礁が劣化すれば失われる結果となる。しかもダイビング・シュノーケリング目的の観光が、サンゴ礁劣化の最大の要因だという。このためグリーンフィンでは、企業や国が持続可能な観光を推進できるよう環境行動規範を提供している。具体的には、ガイドラインに則したダイビング等の実施、船上の適切なゴミ管理、各種環境法・規則・慣行の遵守など優良事例を提示。また観光業者は毎年、行動規範の教育と規範に照らした評価を受ける。