アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、2016年のエリー湖西部の有害藻類ブルーム(HAB)は、発生強度の指数が、過去最高の10.5だった2015年よりは小規模の5.5程度(3.0~7.0)になると予測した。HABの予測は春季のリン流入量に基づいて算出するが、2016年は過去3年と異なり春季の降水量が平年並みで、エリー湖へのリン流入が前年より少ないという。ただし、指標は5.0を超える懸念される水準であり、リンの流入量は依然として多い。HABによる人の健康への影響を回避するためにも、肥料や下水からのリン流入量の40%削減目標に向け、浄水場の管理者教育、土地利用計画の改善などの最良の方策を引き続き探り、実施していく必要があるという。なお、自動で水質試料を採取し、藻の毒性を分析して飲料水管理者に情報を提供する環境試料処理機が、淡水系で初めて2016年9月にエリー湖に導入される予定。従来は週に2回しかできなかった分析が毎日1~2回できるようになるため、危険の迅速な予測や被害の未然防止に役立つものと期待される。