アメリカ国立科学財団(NSF)は、インド洋の海面上昇は不均一で、沿岸や島嶼部の人口密集地域の一部に脅威が迫っているとする研究成果を発表した。この研究は、コロラド大学とアメリカ大気圏研究センター(NCAR)の研究者らによるもので、インド洋の海面上昇が地域により異なるのは、人間活動による大気と海洋の循環の変化によるところが大きいとしている。この研究によると、インド洋ではハドレー循環(赤道付近で上昇した高温の空気が北に向かって移動した後、下降し地表付近を赤道に戻る大気の南北循環)とウォーカー循環(大陸部で上昇した空気が海洋部で下降する大気の東西循環)という二つの大気循環が合成されて特殊な地表風パターンを形成するため、不均一な海面変動が生じる。また、インド太平洋暖水塊の温度は、過去50年間で0.5℃上昇しており、将来の人為起源の温室効果が自然の変動性を上回ると、マスカリン諸島や、インドネシア、スマトラ島、インド洋北部の沿岸等では世界平均を大きく上回る海面上昇が起きると予想されるという。この研究の結果、地球規模の海面上昇や沿岸部への影響を予想するには、海域ごとの変動状況の詳細を知る必要があることが明らかになった。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 地球温暖化 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 海面上昇 | 海洋循環 | インド洋 | 暖水塊 | ハドレー循環 | ウォーカー循環 |
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