海外ニュース


 アメリカの科学者ら、農地拡大と自然生息地減少による農地景観の単調化は、害虫の増加と農薬の使用拡大を招くと報告

発表日:2011.07.11


  農地の拡大と自然生息地の減少が続くと農地景観は単調になり、害虫の増加と農薬の使用拡大を招くとの研究結果をアメリカの科学者らが発表した。景観の単調化、害虫の発生、農薬の使用拡大の関連性は以前から示唆されていたが、今回初めて、アメリカ国立科学財団の支援による米中西部の長期生態調査等により実証された。調査の結果、自然生息地の少ない郡ほど農薬使用率が高いことが示され、農地景観の単調化によって農薬使用面積が年間5400平方マイル(コネチカット州の面積相当)増加していることも判明。自然生息地の消失は害虫を捕食する益虫の生息地を奪い、農地拡大は害虫の繁殖を助長する。この二つの流れを食い止めるには、農業地帯の中に半自然地域を保全・再生することが解決策になるという。さらに、多年生作物は年間を通じて益虫を含む野生生物に生息地を提供することから、スイッチグラス等の多年生バイオエネルギー作物の作付けも有効で、これにより、河川の土壌浸食緩和、栄養塩や農薬の汚染防止、生物多様性の保全も期待できるという。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 健康・化学物質 自然環境
キーワード アメリカ国立科学財団 | NSF | 生息地 | 農薬 | バイオエネルギー | 害虫 | 農地景観 | 単調化 | 半自然地域 | 多年生作物
関連ニュース

関連する環境技術