アメリカ国立大気研究センター(NCAR)の科学者らは、北極海氷の融解が今後数十年は進まない可能性があると報告した。NCARが独自の気候モデルで将来予測を実施したところ、地球上の気温が上昇し氷が薄くなるにつれて北極の海氷面積の変動が大きくなり、20世紀末から21世紀初頭の気候条件の下では、今後十年程度の間に海氷が拡大するか縮小するかは五分五分であることが示唆されたという。北極の海氷面積は近年急速に縮小しているため今回の報告は予想外の結果だが、この研究を実施した科学者によると、これは風況パターン等の大気状態の変化によって一時的に海氷の減少が止まるためだという。一方この研究では、近年の海氷減少が自然要因だけでは説明がつかず、人為起源の地球温暖化が続けば夏場に海氷がなくなるという結末に変わりがないことも示しており、北極の海氷に及ぼす人為的影響と自然変動による影響を解明するには、さらなる気候モデル研究と長期の観察が必要としている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 地球温暖化 | アメリカ国立科学財団 | NSF | シミュレーション | 気候モデル | 北極 | 海氷 | 融解 | 自然変動 | 面積 |
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