フランスのエコロジー・持続可能な開発・運輸・住宅省(MEDD)と労働・雇用・厚生省は、クリーニング店等で使われているドライクリーニング用溶剤「パークロロエチレン(PCE)」に関して進めている各種措置の状況を公表した。PCEは頻繁に接触したり蒸気を吸入したりすると、腎臓や呼吸器などの健康被害を招くとされる。MEDDは、現在進めている省令案(2011年末に意見募集を実施)で、PCEを使うクリーニング店を住宅地の近くで新規に開業することを禁じるほか、隣接するマンションや建物内での濃度が基準値を超えるクリーニング店の営業停止、2014年以降、PCEを使用する機械で製造後15年を超えるものの使用禁止等を盛り込んだ。PCEの代替物質については、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)とフランス産業環境リスク研究所(INERIS)がリスク評価を実施している。また、労働安全の観点から、8時間のPCE曝露限界を138mg/m2とする政令案も出されているという。