産業技術総合研究所は、リチウム-空気電池の空気極の過電圧を大幅に低減したと発表した。リチウム-空気電池は、空気中の酸素を電気化学反応に利用するため、理論的には現状のリチウムイオン電池よりはるかに高い重量エネルギー密度を持つことが期待されている。一方で、同電池を実用化するには様々な問題点があり、特に、リチウムと酸素の電気化学反応が理想的には進行しないため、放電時に得られる電圧と充電に必要な電圧の差が約1.0Vと大きくなり、エネルギー効率が悪くなるという点がある。今回、空気極の充電・放電の反応機構の解明と過電圧の削減を目的とする基礎研究において、空気極に炭素・ルテニウム・二酸化マンガンを用い、有機電解液に約100ppmの水を加えると、充電過電圧が約0.21Vまで大幅に縮小し、放電時に得られる電圧と充電に必要な電圧の差がわずか0.32Vであることを確かめた。今後は、空気極について、構成の最適化・作動環境の検討などを行い、優れた性能を示すリチウム-空気電池の開発を目指すという。
情報源 |
産業技術総合研究所 研究成果
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機関 | 産業技術総合研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | リチウムイオン電池 | 触媒 | 産業技術総合研究所 | エネルギー効率 | 充電 | 放電 | 空気極 | リチウム-空気電池 | 過電圧 |
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