(独)農業・食品産業技術総合研究機構の食品総合研究所は、東京大学、滋賀県立大学及び鹿島建設(株)と共同で、「無触媒過熱メタノール蒸気法」実証試験施設(計画日製造量0.4kL)によるパイロットスケールでのバイオディーゼル燃料製造に成功したと発表した。同技術は、これまでの一般的なバイオディーゼル燃料製造技術(アルカリ触媒法)とは異なり、高温に加熱した原料(油)と高温のメタノール蒸気をほぼ大気圧下で反応させることによってバイオディーゼル燃料の成分である脂肪酸メチルエステル(FAME)を製造するもの。同製造法は、アルカリなどの触媒や超臨界条件を必要としないため、シンプルな設備構成でFAMEの製造が可能であり、原理的に廃水・廃液の発生がほとんどなく、副産物として純度の高いグリセリンが回収できるという特長がある。また、原料として幅広い品質の廃食油や栽培植物油を使用することができるという。