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 九州大、光エネルギーを利用して有害特定化学物質から有用化合物への合成に成功

発表日:2015.11.10


  九州大学は、有害特定化学物質を化学工業品として有用なエステルやアミド化合物に、光エネルギーを使って変換する触媒の開発に世界で初めて成功したと発表した。これは、生体内で脱塩素化反応を行っているビタミンB12依存性酵素の反応中心を模倣したモデル化合物を、天然のビタミンB12を出発原料として合成し、この化合物を光触媒として作用する酸化チタンと複合化したハイブリッド触媒を合成したことによるもの。この触媒は紫外線照射により活性化され、トリクロロメチルベンゼンや、クロロホルムなどのトリハロメタン類から塩素を取り除く脱塩素化作用を示した。さらに、常温・常圧・空気下の温和な条件で、これらトリハロメタン類から、生成物として酸素原子を取り込んだエステルやアミド化合物が一つの反応容器(フラスコ)で高収率に生成することを世界で初めて見出した。今後は、ハイブリッド触媒を用いて、従来、その処理が課題であった環境汚染物質を原料とし、クリーンな光エネルギー使って様々な有用化学物質の合成へと展開するという。

情報源 九州大学 プレスリリース(PDF:251KB)
機関 九州大学
分野 健康・化学物質
キーワード 化学物質 | 触媒 | 九州大学 | 脱塩素化 | 酸化チタン | 光エネルギー | 環境汚染物質 | エステル | トリクロロメチルベンゼン | アミド化合物
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