農林水産省は、食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画を作成したと発表した。同省では、食品の安全性を向上させるため、さまざまな化学物質について、毒性の強さや食品に含まれる可能性、海外における取組状況等の情報を収集・分析し、リスク管理の対象とする優先度を決め、食品中における含有実態を知る必要があるものについては、調査を実施している。今回、優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリストを見直し、平成28~32年度を対象とした新たな中期計画を作成した。同リストの見直しでは、植物に含まれる自然毒(ピロリジジンアルカロイド類)、かび毒(ジアセトキシスシルペノール、ステリグマトシスチン)、調理・加工などで生成する危害要因(グリシドール脂肪酸エステル類)、環境中に存在する危害要因(放射性セシウム)を新たに追加した。一方、現時点で健康への悪影響や中毒発生の懸念が低いポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)、硝酸性窒素等について、優先的なリスク管理の対象から外したという。