国内ニュース


 北海道大など、20世紀の黒潮流量の長期復元に世界で初めて成功

発表日:2016.07.04


  北海道大学、名古屋大学及び喜界島サンゴ礁科学研究所は、20世紀の黒潮流量の長期復元に世界で初めて成功したことを発表した。黒潮は、熱帯から温帯へと大量の熱を運び、北太平洋の気候へ大きな影響を与えてきた。また、その流量の変動は漁業にも影響すると考えられている。今回の研究では、黒潮が流れ込む高知県土佐清水市竜串湾に生息する北限域の造礁サンゴの骨格から、過去150年間の黒潮流量の変化を復元した。その結果、20世紀を通じて黒潮流量は変動幅が小さくなり、流量は増大・安定している傾向にあることが示唆された。また、流量の変動は北太平洋の気候変動であるエルニーニョ・南方振動(ENSO)と太平洋十年規模振動(PDO)の両者の影響を受けて変化していることを発見した。この成果は、温暖化が進んできた20世紀の黒潮の挙動を直接的に示したもので、今後、北太平洋の大気海洋相互作用及び気候変動のメカニズムを理解する上で重要な知見であるという。

情報源 北海道大学 プレスリリース(PDF)
名古屋大学 プレスリリース(PDF)
機関 北海道大学 名古屋大学 喜界島サンゴ礁科学研究所
分野 地球環境
キーワード 気候変動 | サンゴ礁 | 名古屋大学 | 北海道大学 | 太平洋十年規模振動 | PDO | 流量 | ENSO | 喜界島サンゴ礁科学研究所 | 黒潮
関連ニュース

関連する環境技術