九州大学、理化学研究所、東京大学、東京工業大学、宮崎大学、北海道大学、立教大学の共同研究グループは、長寿命放射性核種のジルコニウム-93(93Zr)について、基礎データを取得することに成功した。内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の研究開発プログラム「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」では、放射性廃棄物から有用元素を回収し資源として利用する方法や、長寿命核分裂生成物(LLFP)を取り出して、短寿命核種もしくは安定核種に核変換することにより放射能を減らす方法を開発している。今回共同研究グループは、有用な元素の1つとして、燃料電池や酸素センサなどの材料にも利用されるジルコニウム(Zr)に注目した。153万年という非常に長い寿命を持つ93Zrから生成された核種は、安定核種が約39%、半減期が1年以下の核種が約57%、1~30年が約0.1%、30年を超えるものが5%以下であることが明らかになった。