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 中部大学など、テングザルの個体数減少の要因に関する調査結果を報告

発表日:2018.12.25


  中部大学の研究者を中心とする国際共同研究グループは「テングザル」の個体数減少の要因などを解明した。同種はボルネオ島の固有種で、絶滅危惧種に指定されている霊長類。同種が好んで生息する沿岸部や川辺に広がる熱帯林(マレーシア領ボルネオ島サバ州キナバタンガン)において10年間にわたり生態調査(2004~2014年)を行った結果、近年のパーム油生産のためにアブラヤシ農園拡大に伴い、同地域では東京ドーム約2000個分に相当する9,200 ha以上の森が消失したが、同種が生息する森林等は保全されていることが確認された。しかし、森林の分断により大きな群れで生活することが困難な環境となっており、「個体数は安定しているものの、個々の群れのサイズは小さくなっている(個体数/群:約15%減)」ことが示唆された。アフリカや南米で行われた霊長類の調査では、群れのサイズが小さくなり、その状態が続くと個体数が減少すると報告されていることから、こうした結果はテングザル絶滅の予兆と理解するべきであるという。

情報源 中部大学 お知らせ
機関 中部大学
分野 自然環境
キーワード マレーシア | 絶滅危惧種 | パーム油 | 中部大学 | アブラヤシ | サバ州 | テングザル | 霊長類 | ボルネオ島 | キナバタンガン
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