(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、西部北極海チュクチ海域における観測などを用いて海氷融解に伴う海中光量を見積もり、同海域における窒素循環の変化を解明した。この調査研究は、海洋生物の栄養源となる窒素の重要性や、海洋中のアンモニアを微生物が無機窒素(亜硝酸、硝酸)に変換する「硝化反応」プロセスに着目したもの。今回、陸棚域・海盆域における観測結果と室内実験を組み合せることで、硝化反応の速度とpHの関係、速度減少の傾向、反応を抑制する光量の目安値、硝化反応が生じる水深などの実態把握に成功した。また、現場観測等で得られた知見と衛星データ解析により、過去20年間の北極海の光環境を復元した結果、硝化速度が海氷減少と共に減少傾向にあることを解明した。硝化速度の減少は海洋中の無機窒素の割合を変化させ、その結果生態系が大きく変化する可能性が示唆されたという。
情報源 |
海洋研究開発機構 プレスリリース
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機関 | 海洋研究開発機構 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 北極海 | 窒素循環 | アンモニア | JAMSTEC | チュクチ海域 | 海中光量 | 無機窒素 | 硝化反応 | 衛星データ解析 | 硝化速度 |
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