北海道大学を中心とする研究グループは、オーストラリア-南極海盆の南極大陸近傍海域(以下「同海域」)において底層水の塩分濃度が増加傾向に転じた時期などを特定した。同海域では、底層水の塩分が低下傾向(以下「淡水化」)にあり、淡水化は進み続けると見られていた。同研究グループは淡水化の詳細を調べるために、同海域の深海底における塩分の「時間的な変化」の解析を試みた。決まった場所で、繰り返し行われた観測データに基づく必要があったため、かつてオーストラリアが実施した観測の測線に沿う5地点(東経:80~170度)について水産庁が取得したデータをはじめ、東京海洋大学や世界各国の高精度観測データを解析した。その結果、同海域の塩分は2010年代中盤に増加傾向に転じ、2010年代後半は南西太平洋海盆寄り(東経170度側)の地点ほど顕著であったことが分かった。こうした傾向は、西南極で報告されている棚氷の融解が緩慢となったことや、その背後にある氷床を起源とする水輸送ルートの役割をもって説明できるという。
情報源 |
北海道大学 新着情報
東京海洋大学 プレスリリース(PDF) |
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機関 | 北海道大学 (国研)海洋研究開発機構 東京海洋大学 (国研)水産研究・教育機構 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 氷床 | 北海道大学 | オーストラリア | 水産庁 | 東京海洋大学 | 塩分濃度 | 底層水 | 南極大陸 | オーストラリア-南極海盆 | 水輸送ルート |
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