国立環境研究所をはじめとする日本の「グローバルカーボンプロジェクト(GCP)」参加機関は、地球全体におけるCO2収支を評価した公表論文のポイントを紹介した。GCPは2001年発足の国際研究計画における国際協働研究プラットフォーム「フューチャー・アース」のコアプロジェクトで、日豪に国際共同研究を推進するための国際オフィスが設置されており、世界のCO2収支に関する評価報告書を定期的に更新している。今回、同報告書の一部をなす論文「Global Carbon Budget 2020」が公表された(掲載日:2020年12月11日、Earth System Science Data電子版)。世界68機関・研究者86名からなる国際研究チームにおいて、観測や数値シミュレーションなどのデータを用いた総合的な解析による最新の評価を行った結果、2019年の人為的なCO2排出量は11.5±0.9 Gt(ギガトン)、大気への蓄積量は5.4±0.2 Gt、海洋によるCO2正味吸収量は2.6±0.6 Gt、陸域によるCO2正味吸収量は3.1±1.2 Gtと見積もられた。また、2020年の世界の化石燃料消費によるCO2排出量について、COVID-19パンデミックの影響により、前年比で約7%減少(速報値)となる見込みも示している。