環境省は、令和2年度「オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」を公表した。同省は、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」に基づき、毎年度、オゾン層の状況、オゾン層破壊物質等の大気中濃度および太陽紫外線の状況に係る監視結果を取りまとめ、公表している。地球規模のオゾン全量は1980年代から1990年代前半にかけて大きく減少し、その後減少傾向が緩和し、1990年代後半からはわずかな増加傾向がみられるものの、オゾン全量は1970年代と比べて現在も少ない状態が続いているとのこと。札幌、つくば、那覇で観測された日本上空のオゾン全量は、札幌とつくばにおいて1980年代から1990年代初めまで減少した後、緩やかな増加傾向が見られる。また、那覇では1990年代半ば以降、緩やかな増加傾向が見られていたが、近年はオゾン全量が少ない年が続いている。北半球中緯度域(北海道の観測地点)では、CFC(クロロフルオロカーボン)の大気中濃度は十数年以上減少し続けている一方で、HFC(ハイドロフルオロカーボン)は近年急速に増加している。年次報告書全文は、環境省ホームページで見ることができる。