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 国環研、研究情報誌「環境儀」第86号を刊行

発表日:2022.12.27


  国立環境研究所は、研究情報誌「環境儀」第86号「ミニチュア大洋『日本海』が発する警告 海洋環境への地球温暖化の影響」を刊行した。冷戦終結後、日本海を対象とする国際共同観測が実現し、海水循環や物質循環などの実態が明らかになってきた。全海洋面積のわずか0.3%にすぎないが、暖流と寒流が行き交い、深さも3000m以上ある(大洋の要素を兼ね備えている)。そのため「ミニチュア大洋(小さな大洋)」とも呼ばれている。小さな海であるが故に外的要因に対する感受性が高く、地球温暖化による変化がいち早く現れる。近年、日本海北西部の表層水が冬期に十分に冷やされず、海水の循環が滞り、深層への酸素供給が減少していること等が明らかになってきた。こうした状況が続けば、深層は貧酸素状態となり、日本海の生態系全体への影響が懸念される。本号では、同研究所が中心となって実施してきた観測研究の概要や、これまでに得られた知見を紹介している。「Interview研究者に聞く」と3つのコラムにより、日本海の海洋構造や観測船を用いた長期モニタリング調査の詳細が理解できる。「Summary」には、海洋環境における温暖化影響の実態や、化学分析の実例に基づく解説が綴られている。その他、ミニチュア大洋をめぐる観測研究の国際的な動向なども含め、表題に係る成果等をわかりやすく伝えている。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 国立環境研究所
分野 地球環境
キーワード 物質循環 | 地球温暖化 | 環境儀 | 海洋環境 | 日本海 | 研究情報誌 | 化学分析 | ミニチュア大洋 | 海水循環 | 長期モニタリング調査
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