慶應義塾大学医学部内科学教室(神経)・滝沢専任講師らの研究グループは、受動喫煙が片頭痛に与える影響を調査した。タバコの煙に曝露したマウスと非曝露のマウスを用いて片頭痛モデルを作成し、片頭痛の感受性を比較した結果、片頭痛は有病率が8.4%と高く、特に女性では男性の3.6倍の頻度で発症する。片頭痛の誘発因子にはストレスや睡眠不足、天気、香水などが含まれるが、受動喫煙もその一つとされている。今回の研究では、タバコの煙に1時間曝露したマウスと曝露していないマウスに塩化カリウム(KCl)を滴下し、片頭痛の感受性を評価した。雄マウスでは差が見られなかったが、雌マウスでは曝露グループの片頭痛感受性が有意に高まることが確認された。この結果は、受動喫煙が片頭痛の誘発因子の一つである可能性を示唆しており、今後もさらなる研究が期待される。研究成果は、「The Journal of Headache and Pain」オンライン版に掲載された。