東京大学、サントリーホールディングス、日本工営は、共同開発した「Water Security Compass(α版)」を公開した。このプラットフォームは、世界各地の水の需給を踏まえた水不足リスクを用途別に把握できるもので、今夏にβ版が公開された。正式版は2025年に公開予定であり、「データ統合・解析システム(DIAS)」で閲覧可能である。---「Water Security Compass」は、東京大学が構築した地球全体の水循環をシミュレーションするモデルを活用している。季節の変化やダムなどのインフラによる水量への影響も考慮し、世界各地で必要とされる水の量と供給される量を的確に把握することができる。これにより、水資源がどの用途でどの程度不足するのかを現在から将来にわたって可視化することが可能である。また、農業用水、工業用水、生活用水などの用途別に水が不足する可能性の高い地域を特定し、実際に水不足が発生しうる地域を特定することができる。これにより、対策を講じるための重要な情報を提供することができる。---現在、世界中の企業や組織が気候変動に伴う水リスクへの対策を行っており、「Water Security Compass」はその活動の精度を高める一助となることを目指している。また、得られた知見や実績を基に、より広範囲なグローバル規模での活用や、水をめぐるルール形成への貢献なども期待できる。