国土交通省は、下水道資源を活用して生産された農作物などの愛称「じゅんかん育ち」について、商標登録と使用規約の策定が行われたことを発表した。これは、同省が下水道広報プラットホーム(GKP)と連携して平成29年に決定した取り組みの一環であり、下水汚泥、再生水、処理過程で発生する熱などの下水道資源を有効利用した農産物の普及を目的としている。
「じゅんかん育ち」を推進する日本下水道協会は、国土交通省と連携しながら商標登録を行い、あわせてその使用規約を策定した。同協会は、下水道に関する技術・制度の普及を担う公益社団法人であり、国交省の政策実施を支援する立場にある。また、GKPの事務局も務めており、広報活動を通じて下水道の価値を社会に伝える役割を果たしている。
「じゅんかん育ち」は、循環型社会の実現に向けた象徴的なブランドとして位置づけられており、今回の商標登録により名称の信頼性と認知度の向上が期待される。使用希望者は、同協会が定めた使用規約に基づき、無償で商標を利用することが可能である。使用規約の詳細は、同協会の公式ウェブサイトにて公開されている。
国土交通省は今後も日本下水道協会と連携し、ホームページやパンフレット等を通じた情報発信を強化する方針である。これにより、下水道資源を活用した農作物のイメージ向上と消費拡大を図るとともに、農業分野における下水道資源の有効利用を一層促進することを目指している。