(独)森林総合研究所は、衛星データから国レベルの森林被覆率(森林が土地を覆っている割合)を推定する効率的な方法を解明したと発表した。現在、熱帯林減少などの問題に対し、国レベルでの森林被覆率を衛星データから求める方法が有効とされている。その中でも、対象地域の一部を系統的に抜き出す「サンプリング」により全体を推定する方法は、全域を解析する方法に比べて費用や労力を抑えられるというメリットがあるが、サンプリング率が推定値の誤差に影響するという課題があった。今回の研究では、日本を対象に、ランドサット衛星画像から作成した土地被覆分類図を10km四方の方形に区画し、各区画での森林被覆率を計算した上で、サンプリング率を変えて国レベルの森林被覆率(平均値)を求めた。その結果、森林被覆率を正確に推定するためには、面積割合で20%以上のサンプリング率が必要となることを明らかにした。同研究所では、この成果は、国連食糧農業機関(FAO)における森林資源評価2010(FRA2010)に役立てられており、森林被覆が十分に把握されていない発展途上国で、国レベルの森林被覆率を推定する場合にも役立つことが期待されるという。
情報源 |
(独)森林総合研究所 プレスリリース
同上 詳細版(PDF) |
---|---|
機関 | (独)森林総合研究所 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | リモートセンシング | 地球温暖化 | 森林資源 | 森林総合研究所 | 熱帯林 | 国連食糧農業機関 | 土地被覆 | サンプリング | 衛星データ | 森林被覆率 |
関連ニュース |
|