JFEスチール(株)、(株)KELK及び北海道大学は、排熱を利用した熱電発電技術の研究開発を、共同で開始したと発表した。熱電発電技術は、異なる金属または半導体に温度差を設けると電圧が発生する「ゼーベック効果」を利用して熱から電気を生み出す技術で、発電時にCO2が排出されないため、クリーンなエネルギーとして近年注目を集めている。今回の研究開発は、KELKが開発した世界最高クラス性能(出力密度1W/cm2)の熱電変換モジュールを用いて、JFEの製鉄所の未利用排熱からの発電を試みるもの。2012年度内にJFE東日本製鉄所(京浜地区)の連続鋳造プロセスへ最大出力10kWの熱電発電システムを設置し、スラブ(鉄鋼半製品)からの輻射熱を利用した発電の実証試験を実施する。同試験では、発電性能や耐久性を確認するとともに、システムのLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)評価も行い、最終的には100kWクラスでの実用化の目処をつける計画という。なお、同研究開発は、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の省エネルギー革新技術開発事業として、2011年度に採択されたものである。