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JST、環境対応型リン系難燃剤の大量製造技術に関する委託開発成果を発表
発表日：2012.06.26
（独）科学技術振興機構（JST）は、独創的シーズ展開事業による委託開発の結果、環境対応型リン系難燃剤の大量製造技術の開発に成功したと発表した。これは、（独）産業技術総合研究所の研究成果をもとに、平成20年3月から平成24年3月にかけて片山化学工業（株）が企業化開発を進めていたもの。プラスチックを燃えにくくする難燃剤としてよく用いられる「ハロゲン系難燃剤」は、製品廃棄時に有害物質を発生する可能性があることから、欧州の特定有害物質規制「RoHS指令」などで使用が制限され、その代替となる新たな難燃剤の早期開発が望まれていた。今回開発した新しいリン系難燃剤は、ハロゲンを使わず、リンを高分子骨格に直接導入するため安定しており、プラスチックの本来の性能を損ねることなく、耐燃性を持たせることができる。また、研究者が発見した安全性の高い触媒を用いることで、高収率かつ大量合成が可能な連続製造技術を実現した。同難燃剤は、化審法に基づく低生産量新規化学物質の判定を受けたことから、過去に例のないビニルリン系難燃剤として、幅広い用途展開が期待されるという。
