大学研究室紹介

「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」(松田裕之教授)

横浜国立大学大学院環境情報学府 益永・中井&松田研究室

研究内容

  • テーマ:
  • アジア視点の国際生態リスクマネジメント
  • 概要:
  • 研究課題として、
    ・風力発電と猛禽類のリスク管理(鳥衝突個体群リスク管理モデルや鳥衝突リスク評価モデル)、
    ・アジア視点の国際生態リスクマネジメント(予防的順応的管理)、
    ・屋久島の鹿と植物の保全、
    ・海の生産力と気候変化(生態系管理とMSY理論を見直す)、
    ・カワウの漁業被害対策、
    ・エゾシカの順応的管理、
    ・漁業経済学(知床海域管理計画)、
    ・順応適正体系管理(石西礁湖オニヒトデ管理)、
    ・ヒグマ保護管理計画、
    ・世界の海を知る(Census of Marine Life)、
    ・奄美マングース駆除、
    ・自然再生事業(生態系的取組み)、
    ・進化保全生態学(人獣共通感染症のリスク管理)、
    ・重金属による生態・経営リスク、
    ・里海・里山プロジェクト
    などに、科研費等プロジェクトや共同研究者との連携によって、取り組んでいます。
  • キーワード:
  • 進化生態学, 保全生態学, 野生生物管理, 水産資源管理
  • 学部体系:
  • 人文社会科学系(経済学系), 理工学系(理学系, 応用物理学系, 資源・エネルギー系)
  • 研究分野:
  • 地球環境(太陽光・風力など再生可能エネルギー)、ごみ・リサイクル(LCA・環境マネジメント関連等)、健康・化学物質(化学物質管理・リスクコミュニケーション)、自然環境(生態系の監視・保全関連, 緑化・自然再生など環境創造関連, 流域圏保全、その他, その他自然環境関連)、水・土壌環境(その他水・土壌関連)

    ミナミマグロの漁獲量変化。乱獲などにより1970年代から急減し、成魚の個体数は1993年ころに70万尾まで減った。

    シミュレーションで探る「サバの未来を読む(魚種交替現象)」

    研究室概要

  • 大学・研究室名:
  • 横浜国立大学大学院環境情報学府 益永・中井&松田研究室
  • 研究室の特色・PR:
  • どんな研究ができるか1)5年先の流行を先取りする! 今流行のことをやっていても、君たちが学位を取る頃に下火になっていてはだめ。5年後の流行を予測しないといけない。それは、全く新たな課題ではなく、むしろ、今まで地道に続きながら、光が当たっていない課題のそばにある。未解決の問題とその答への展望を正しく見据える者だけが見ることができる夢である。具体的には以下の通り。・生態リスク管理の理論・順応的・生態系管理の理論・予防原則の見直し・反対称捕食を例にした種分化の理論2)一粒で二度おいしい=さまざまな研究室と連携した共同研究・指導 私は数理生態学者だが、過去の私の院生はさまざまな研究室に修行に行き、さまざまな技術を身につけている。私が共同研究を進めるには、多角的に物事を学ぶ院生が欠かせない。・数理生態学・化学物質の環境リスク評価・管理・猛禽類の個体群解析・野生生物管理、知床世界遺産のシカ管理・野生生物管理、知床世界遺産の海域管理・石西礁湖のオニヒトデ管理・陸と海の生態系相互作用(アムール・オホーツク研究)・個体群生態学(浮魚類の魚種交替)・魚の左右性の研究・進化群集生態学・緑藻類の異形配偶の研究・水産資源管理・植物の絶滅リスク評価・空間分布を考慮した生息地保全
  • 先生のプロフィール:
  • 氏名:
    松田裕之
    出身大学:
    京都大学理学部
    出身大学院:
    京都大学生物物理学専攻博士課程(理学博士)
    職歴など:
    1985年日本医科大学、1989年水産庁中央水産研究所、1993年九州大学理学部、1996年東京大学海洋研究所,2003年横浜国立大学大学院教授,現在に至る。
  • 所属学生の人数:
  • 11~20人程度
  • ゼミの恒例行事(旅行・実習・調査など):
  • 1泊2日程度
    年 2回
    2泊~1週間未満
    年 0回
    1週間~1か月以内
    年 0回
    1か月以上
    年 0回
  • 研究室連絡先:
  • 神奈川県横浜市保土ケ谷区常磐台79-5
    matsuda@ynu.ac.jp

    先生からのメッセージ

    インターネット時代になって、ウェブサイトを見てたずねてくる学生が増えました。ときには、「なぜ私の研究室を訪ねたか?」動機がわからない人もいます。大学院に進学する際、どんな研究室を選んだらよいか、私の評価基準を紹介します。
    1)どんな研究をしているか? あなた自身がどんな研究をしたいのか? それはなぜか?
     流行している分野や単語(たとえば、進化、環境リスク、保全、管理など)のうち、自分の気に入った単語をウェブで検索しても、本当にやりたい研究ができるかどうかわかりません。あなた自身、自分のやりたいことがわかっていない場合が多いのです。流行を追うなら、今の流行より、あなたが学位をとる5年後に盛んになる分野を選ぶべきです。研究室を訪ねたら、その展望を聞くべきでしょう。そして、自分がやりたいと思っていたこととあっているか、考えてみましょう。
     社会に役に立つ研究もたいせつですが、まず、それを好きになれるかどうか、面白いと思うかどうかが先決です。すきになれない研究は、役に立つとしても、長続きしないでしょう。
    2)研究活動が活発か?
     研究室の活躍ぶりを調べるには、まず(英語の)論文リストを見ればよい.論文リストがない教官,査読付原著論文数の少ない教官の下にいても,これから評価を受ける院生が研究者になることはできない。教官のリストだけでなく、研究室のサイトも覗いてみて、助手や大学院生などの論文リストもみるべきです。
     すべて教授・助教授との共著になっている研究室では、独立した研究はやりにくいかもしれません。
    3)研究室の雰囲気はよいか?
     学生の人数も重要です。人数があまりに少ない研究室は、何か原因があるはずです。人数があまりに多い研究室は、先輩後輩の間で指導が行き届かなければ、教官の指導は徹底できません。新しい教官にとって重要なのは、最初の学生を育てることです。
     単刀直入に、そこに所属している大学院生にメールや電話をして尋ねてみればよいでしょう。

    (2009年1月現在)