ミナミマグロの漁獲量変化。乱獲などにより1970年代から急減し、成魚の個体数は1993年ころに70万尾まで減った。
シミュレーションで探る「サバの未来を読む(魚種交替現象)」
インターネット時代になって、ウェブサイトを見てたずねてくる学生が増えました。ときには、「なぜ私の研究室を訪ねたか?」動機がわからない人もいます。大学院に進学する際、どんな研究室を選んだらよいか、私の評価基準を紹介します。
1)どんな研究をしているか? あなた自身がどんな研究をしたいのか? それはなぜか?
流行している分野や単語(たとえば、進化、環境リスク、保全、管理など)のうち、自分の気に入った単語をウェブで検索しても、本当にやりたい研究ができるかどうかわかりません。あなた自身、自分のやりたいことがわかっていない場合が多いのです。流行を追うなら、今の流行より、あなたが学位をとる5年後に盛んになる分野を選ぶべきです。研究室を訪ねたら、その展望を聞くべきでしょう。そして、自分がやりたいと思っていたこととあっているか、考えてみましょう。
社会に役に立つ研究もたいせつですが、まず、それを好きになれるかどうか、面白いと思うかどうかが先決です。すきになれない研究は、役に立つとしても、長続きしないでしょう。
2)研究活動が活発か?
研究室の活躍ぶりを調べるには、まず(英語の)論文リストを見ればよい.論文リストがない教官,査読付原著論文数の少ない教官の下にいても,これから評価を受ける院生が研究者になることはできない。教官のリストだけでなく、研究室のサイトも覗いてみて、助手や大学院生などの論文リストもみるべきです。
すべて教授・助教授との共著になっている研究室では、独立した研究はやりにくいかもしれません。
3)研究室の雰囲気はよいか?
学生の人数も重要です。人数があまりに少ない研究室は、何か原因があるはずです。人数があまりに多い研究室は、先輩後輩の間で指導が行き届かなければ、教官の指導は徹底できません。新しい教官にとって重要なのは、最初の学生を育てることです。
単刀直入に、そこに所属している大学院生にメールや電話をして尋ねてみればよいでしょう。