アメリカの科学者等は、食用作物等の耕作に向かない土地を活用したバイオ燃料作物の生産に関する研究を行い、その潜在生産量と温室効果ガスの排出削減量を初めて予測した。耕作不適地は、各種セルロース系バイオ燃料作物を生産するための大規模な未開発資源として、アメリカの代替エネルギーの生産目標達成に大きく貢献できるという。研究者らは、国立科学財団の長期生態学研究(LTER)区域の20年分のデータを活用し、アメリカ中西部の10州を拠点に、トウモロコシなどさまざまな作物の生産性や温室効果ガスの影響を評価。さらに、生産能力が年間2400万ガロンのバイオ燃料製造施設を維持するのに十分な原料の生産量を特定しモデル化した。その結果、2022年には、連邦議会が定めた目標値の25%に当たる年間55億ガロンの生産が可能であることが分かったという。研究者らは、未利用地の適切な管理は、輸送エネルギー需要に応えつつ気候や環境の保護にも有益であり、既存農地の転用ではないため持続可能性にも寄与するとしている。