インドネシアとアメリカの共同研究チームは、最新の技術を駆使してインドネシア深海底の地質と未知の深海生物の貴重な映像をとらえた。チームは、両国のインドネシア海洋探査協定の一環として、海洋探査の現場と陸上の科学者をリアルタイムで接続する新たな海洋探査モデルを構築。衛星経由の高速インターネット通信を用いた「テレプレゼンス」と呼ばれる技術により、専門分野の異なる多数の科学者らが、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の海洋探査船上のシステムからデータと情報を受け取り、海底から送られてくる画像を観察しながら討議することが可能となった。海洋探査船から派遣された遠隔操作探査艇は、27回に及ぶ潜水調査により、深さ800フィートから2マイル超までのさまざまな深度でハイビジョン撮影を実施。専門家らは、この鮮明な映像から、多彩なウミユリ、大型のウミグモ、肉食性のカイメンなど、少なくとも40種以上の新種生物が観察されたとしている。また、共同研究の一環として、アメリカとインドネシアの双方で学生らへの教育活動も実施した。両国の共同海洋探査は今後も継続される。