海外ニュース


 イギリス気象庁、温室効果ガス増加でも海洋上層の水温上昇が休止している理由を説明

発表日:2011.08.04


  イギリス気象庁は、大気中の温室効果ガスが増加しているにもかかわらず、世界の海洋において上層の水温上昇が止まっている理由を、2つの論文が説明したと発表した。これらの論文は、オランダ王立気象研究所(KNMI)とイギリス気象庁がそれぞれ行った研究の成果であり、1960年代から長期的に続いていた、水深700mまでの海洋上層の水温上昇が、2003年から2010年にかけて休止している理由を調べたもの。KNMIの気候モデルシミュレーションによると、この現象は、気候システムの自然変動に起因するものであり、具体的な要因は2つあるという。その1つは、ENSOと呼ばれるエルニーニョ・南方振動であり、これによって海洋上層に蓄えられる熱のうち大気圏外に放出される量が増えるという。また、もう一つは、北大西洋の深層循環で、これによって熱が海洋深層へ一時的に輸送されているという。イギリス気象庁のシミュレーションでも、海洋深層への熱の移動を裏付ける結果が出ており、同庁は、深海を観測することで海洋内の熱の移動が解明され、今後の気候変動のモニタリングも向上できるとしている。

情報源 イギリス気象庁(Met Office) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 イギリス気象庁(Met Office)
分野 地球環境
キーワード 温室効果ガス | シミュレーション | 気候モデル | イギリス気象庁 | エルニーニョ | 海水温 | 海洋深層 | 海洋上層 | ENSO | オランダ王立気象研究所
関連ニュース

関連する環境技術