東京農工大学は、バイオ燃料生産における新規の微細藻類回収法を確立したと発表した。光合成を行う微細藻類が蓄積する脂質(オイル)からバイオディーゼル燃料を生産するためには、1)培養液中での微細藻類の増殖と細胞内でのオイル蓄積、2)培養液からの微細藻類の回収、3)微細藻類細胞からのオイル抽出、4)オイルからバイオディーゼル燃料への化学変換、の4工程が必要であり、このうち2)が最もエネルギー消費量が大きいとされている。これは、微細藻類の回収に、遠心分離法などの消費エネルギーが大きい方法を利用しているためで、遠心分離法などによらない、消費エネルギーの少ない新たな微細藻類回収法が求められていた。今回研究グループでは、あらかじめ微細藻類(珪藻)の細胞表面にシリカ粒子と接着する分子を遺伝子工学的な手法を用いて固定化し、珪藻回収時にシリカ粒子を添加する簡便な回収方法を開発した。この成果により、バイオディーゼル燃料を生産する際に必要なエネルギー消費量を削減でき、効率的な燃料生産が可能になると期待されるという。