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 北大など、サンゴ骨格から2000年前後以降のインド洋ダイポール現象を復元

発表日:2019.02.26


  北海道大学および九州大学などの研究グループは、インド洋のサンゴ骨格分析により、同海域の大気海洋相互作用現象を復元し、得られた新しい知見を発表した。インド洋では夏から秋にかけて「インド洋ダイポール(IOD)」という海水温偏差(西で高温、あるいは南東で高温)が生じ、それが周辺の気候変化や自然災害等の発生要因と見られている。同研究グループは、地球温暖化が停滞状態にあったされる1990年代後半から2015・2016年までの間(ハイエイタス)のIODを調べるために、同海域の北西・オマーン湾に生息する造礁性サンゴ群体から骨格柱状試料を採取し、Sr/Ca比および酸素安定同位体比を分析することで、海水温・塩分変動に関する26年間の隔週記録を復元した。観測記録との対比などを行った結果、1)ハイエイタス始期に相当する1996年から同海域の海水温が、1999年から塩分が低下することが確認され、2)ハイエイタスの間、同海域では海水温が低い状態が維持されており、3)IODによる海水温偏差と独立的に変化していたことが示唆されたという。

情報源 北海道大学 プレスリリース(PDF)
九州大学 プレスリリース
NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所 プレスリリース(PDF)
機関 北海道大学 九州大学 NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所
分野 地球環境
キーワード 地球温暖化 | 九州大学 | 北海道大学 | インド洋 | サンゴ骨格 | インド洋ダイポール | 大気海洋相互作用現象 | Sr/Ca比 | 酸素安定同位体比 | 海水温偏差
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