気象庁は、2009年の南極オゾンホールの状況について、米国航空宇宙局(NASA)の衛星データに基づく解析結果を発表した。それによると、今年は8月中旬にオゾンホールが現れ、その後8月下旬に急速に拡大し、南極大陸をほとんど覆うようになったという(9月21日現在のオゾンホールの面積は2340万km2)。オゾンホールは、例年8月後半に現れ、9~10月に最盛期を迎え、11~12月に消滅しており、その形成・発達は、オゾン層破壊物質と成層圏下部(南極上空約23km)の気温に大きく依存する。現在、オゾン層破壊物質の濃度は、1990年代後半のピーク後は緩やかに減少しているものの依然として高い状態が続いており、オゾン層破壊の促進に関係する成層圏下部の低温域(-78℃以下)の面積は、今年は最近10年間の平均と同程度で推移している。これらのことから、2009年のオゾンホールは、最近10年間の平均と同程度に発達すると予想されるという。