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 広島大など、冬水たんぼの新しい環境負荷低減効果を発見

発表日:2020.06.09


  広島大学、京都大学、総合地球環境学研究所などの研究チームは、冬の間水田に水を張っておく「冬水たんぼ(冬期湛水)」の環境負荷低減効果を発見した。これまで、冬期湛水が、湿地を利用する生物にとって、生息地や産卵場所となることが報告されている。一方、冬期湛水による流域環境の水質に及ぼす影響についてはほとんど調べられていなかった。同研究チームは、実験室で疑似的な水田環境を再現し、水田土壌を培養する実験を行った。隣り合う水田(滋賀県甲賀市)を1組として合計5組の水田から土壌を採取し、肥料を加えて30日間培養した。各組のリン濃度を比較した結果、冬期湛水は施肥由来のリン流出を平均26%低下させると推定された。この成果は、冬期湛水が生物多様性の回復にとどまらず、水質保全にも役立つ可能性を示したものであり、環境保全に関連した農業支援事業の枠組みに適用され、環境配慮型農法として普及することが望まれるという。

情報源 広島大学 研究成果
京都大学 研究成果
総合地球環境学研究所 成果発信
機関 広島大学 京都大学 総合地球環境学研究所
分野 水・土壌環境
キーワード 生物多様性 | 水質 | 水田 | 生物 | 湿地 | 生息地 | 水質保全 | 環境配慮型農法 | 冬期湛水 | リン濃度
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