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 胎児期のカドミウムばく露は発達の遅れに1歳半まで影響 鳥取大と国環研

発表日:2022.06.24


  鳥取大学医学部と国立環境研究所は、妊娠中の母親の血中カドミウム濃度と子どもの6ヶ月時点から1歳半時点までの発達の遅れとの間に関連が見られた、と報告した。カドミウムばく露が人間の神経発達にどのような影響を与えるのか、とりわけ現在の低濃度ばく露がおよぼす影響はよく分かっていない。今回、両者はエコチル調査で確定した約10万人のデータを用いて、胎児期のカドミウムばく露と3歳までの発達との関連について疫学的手法を用いて解析した。養育者が記入したAges and Stages Questionnaire 3rd edition (ASQ-3)を用い、出生後半年ごとに評価した結果、6ヶ月時点から1歳半時点までの子どもの発達の遅れとの関連が見られた。しかし、発達の遅れが認められた子どもでも2歳以降では発達の遅れが見られなくなり、その関連は消失することが分かった。本研究の問題点として、1)子どもが出生後に受けたカドミウムばく露は考慮に入れておらず、その影響は制御できていないこと、2)胎児期のトータルとしてのばく露量ではなく、その期間中のある一時点で測定した母体血中濃度を指標としているので、胎児の受けた実際のカドミウムばく露量との関連性を評価したことにはならないこと、3)ASQ-3は母親の目から見た発達の評価であるので、評価基準にばらつきがある可能性があること、4)ASQ-3の評価結果が得られなかった参加者の情報が反映されていないこと、を挙げており、環境省等の見解ではないと付記している。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 鳥取大学医学部 国立環境研究所
分野 健康・化学物質
キーワード 環境省 | 評価基準 | エコチル調査 | 胎児期 | ASQ-3 | 血中カドミウム | 発達の遅れ | カドミウムばく露 | Ages and Stages Questionnaire 3rd edition | 母体血中濃度
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