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 (独)国立環境研究所、西太平洋上における1994~2010年の大気中メタン濃度の長期変動要因を解明

発表日:2011.07.21


  (独)国立環境研究所地球環境研究センターの寺尾研究員らは、西太平洋上における1994~2010年の大気中メタン濃度の長期変動要因として、エルニーニョ・ラニーニャ現象に伴う熱帯西太平洋特有の大気循環変動が存在することを明らかにした。同センターでは、1994年から民間定期貨物船を利用した大気・海洋モニタリングを行っており、観測空白域である西太平洋において、温室効果ガス濃度分布を高頻度に観測している。今回、二酸化炭素に次ぐ温室効果ガスであるメタンについて、16年間の観測データと大気輸送モデルのシミュレーション結果をもとに、主に1997~1998年と2007年に観測された急激な大気中メタン濃度の増加について解析を行った。その結果、熱帯西太平洋では、エルニーニョ現象に伴う西風や、ラニーニャ現象に伴う強い鉛直流などが生じ、これらの大気循環の変動によってメタン濃度が大きく変動することを世界で初めて示した。今後、これまで観測空白域であった西太平洋におけるメタン濃度データを用いることで、全球メタン収支の推定の精度向上に役立つことが期待されるという。

情報源 (独)国立環境研究所 記者発表
機関 (独)国立環境研究所
分野 地球環境
大気環境
キーワード モニタリング | 温室効果ガス | 国立環境研究所 | 海洋 | メタン | エルニーニョ | ラニーニャ | 大気循環 | 西太平洋 | 大気輸送モデル
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