(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、カンボジアにおいて、籾殻などバイオマスを利用したエネルギー・環境技術の実証開発事業を実施すると発表した。これは、2011年11月22日、カンボジア王国・鉱工業エネルギー省とNEDOが、プノンペン市内で覚書(MOU)を締結したことによるもの。カンボジアの農村地域では依然として電化率が低い上に、ディーゼル発電機の燃料である石油の価格が高騰し、石油燃料の代替効果やそれに伴う経済面および環境面の負荷低減効果が期待されるバイオマス発電へのニーズが非常に高まっている。今回の事業では、籾殻などのバイオマスから得られるエネルギーを利用し、省エネ型籾殻分離システムを含むバイオマス発電環境システムを導入することで、精米品質の向上や電力の供給を図るほか、発電燃料として使った後の炭化した籾殻等を土壌改良剤としてリサイクルし、コメなど農作物の増産を目指すといった、複合的なメリットを生み出すシステムの実証開発を行う。NEDOでは、今後、同事業の設備の据え付け工事を行い、2012年夏頃の竣工を経て、2012年度末の事業終了まで実証運転によるデータの評価、検証と共に、施設公開や普及セミナーを通じてカンボジア王国内への日本の技術の普及を目指すという。