国連は、国連諸機関の温室効果ガス(GHG)排出量をまとめた報告書「気候ニュートラル(中立)な国連を目指して」の第6版を公表した。この報告書によると、全64機関の2013年のGHG総排出量(CO2換算)は約170万トン(米国の15万5109世帯の排出量に相当)であった。そのうちの50%超は前年同様に航空輸送時の排出で、気候ニュートラル化を達成するうえで最大の課題となっている。一方、2014年は多方面で進展が見られた。前年より多い56機関が2013年の活動の最新情報を報告し、その内容も充実化。さらに事務総長が各機関に対し、2020年までに気候ニュートラルを達成するという新たな目標を設定したことから、排出削減の取組に弾みがついているという。報告書はこうした取組の事例として、1)ユニセフ南アジア地域事務所での太陽光発電事業の完成と省エネシステム導入、2)在ローマ機関のスタッフによる「清掃の日」活動への参加、3)レバノン暫定駐留軍でのソーラーファーム設置による電力供給とGHG排出削減、等を挙げている。