国連環境計画(UNEP)は、世界の気温上昇を2℃未満に抑えるためには、政府の温室効果ガス排出削減策を補完する政府以外の主体による取り組みが重要だとする報告書を発表した。報告書では、都市、地域、企業、分野別のエネルギー効率やメタンに関する主要イニシアティブのうち、特に具体的な目標を掲げ実施能力も高い15件について分析している。これによると、現在、政府の政策によって2020年までに5~7ギガトン(二酸化炭素換算)の温室効果ガスが削減できると予測されているなか、「首長誓約」や「企業環境リーダーシップ会議」など都市や地域、企業が参加するイニシアティブなどさまざまな非政府主体の取り組みによって約1.8ギガトンが削減可能になるという。2014年9月の国連気候サミット以降、エネルギー効率や再生可能エネルギーなど多くの分野で新たなイニシアティブが立ち上げられ、2015年4月には180もの取組が実施されている。今後、定量化可能な目標を設定することでさらなる排出削減につながる可能性があると報告書は示唆している。