(独)国立環境研究所は、九州大学応用力学研究所及び(独)海洋研究開発機構と共同で、北半球の熱帯アフリカ地域で20世紀に観測された降水量減少の要因を解析し、人間活動、特に人為起源エアロゾル(大気中に浮遊する微粒子)の増加が、この地域の降水量減少に深く関係していることを明らかにした。同研究では、20世紀の気候をよく再現する気候モデルを用いて、気候変動の影響要因を個別に変化させた数値実験の結果を解析。その結果、過去の自然変動要因(太陽や火山活動)のみを加味した場合は、この地域の長期的な降水量減少を再現できないのに対し、人為要因(温室効果ガスや人為起源エアロゾルの増加など)のみを考慮した場合は降水量の減少が表れ、さらに、人為要因の中でもエアロゾルの増加を考慮した時にのみ、その傾向が認められることを見出した。同研究によると、この地域でエアロゾルが増加すると、地表に到達する日射が遮られ、気温低下による大気中の水蒸気の減少や、海面水温の低下による上昇気流の弱まりが生じるため、結果的に降水量が減少するという。
情報源 |
(独)国立環境研究所 報道発表資料
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機関 | (独)国立環境研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 温室効果ガス | 海洋研究開発機構 | 国立環境研究所 | 九州大学 | エアロゾル | 気候モデル | 降水量 | アフリカ | 水蒸気 | 自然変動 |
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