環境省は、平成24年度化学物質複合影響評価手法検討調査報告書を公表した。個別の化学物質の環境中への排出状況や環境中の存在状況、環境中の生物等への影響は、種々の研究や行政等による知見の収集・評価等により、多くのことが明らかになってきているが、これらの情報の多くは、単一の化学物質の影響について評価したものである。複数の化学物質に同時にばく露された場合の影響(化学物質の複合影響)の評価手法は、日本ではあまり検討が進んでいない。一方、国際機関や欧米諸国では研究段階から活用段階に向け取組みが進みつつあるという。環境省では、こうした諸外国の動向もふまえ、環境行政における化学物質の複合影響評価のあり方の検討を行っており、本年度は以下を実施した。1)化学物質の複合影響に関する国内外の動向調査、2)概念及び用語整理、3)物質のグルーピングの試行、4)WHO/IPCSフレームワクに基づく段階的評価の試行、5)魚類に対する同時ばく露試験、について調査・検討を行った。同省では今後も引き続き、化学物質の複合影響評価手法を検討していくという。